発売当時のピュアモルト

佐藤卓さんインタビュー

第4回「ウイスキーに期待すること」

時代を超える
価値をもったウイスキーを。

『ニッカ ピュアモルト』が1984年に発売されてから、来年で30年になります。発売当時のことをご存じない若い世代にも、新鮮なデザインとして受けとめられているようです。『ピュアモルト』には僕の魂が注ぎ込まれていますから、もう一度ウイスキーを作るとしても、『ピュアモルト』新発売当時のパッケージの復刻版を作りたいと思うかもしれません。モノづくりの側面よりも発売当時のメッセージ性を今の時代に置き換えたらどうなるのか、興味があります。
いいものが自然に人から人へ伝わる力は30年前にもありましたが、インターネットを前提とすれば、さらに多くの可能性が生まれます。飲んだ後の瓶の使い方のアイディアをシェアするためにネット上にギャラリーを作るなど、ネットワークを活用したアイディアが無限に広がります。
『フロム・ザ・バレル』もそろそろ発売30周年です。2012年にインターナショナル・スピリッツ・チャレンジ金賞を受賞するなどヨーロッパで人気が出て、日本でもじわじわと再評価されているそうです。静かに社会に物申す存在として、普遍的なメッセージ性があるのだと思います。