世界のウイスキーを眺めれば

そして、日本のウイスキーは?

「日本の主だったウイスキーは事実の点でも香味の点でも、その祖先をまちがいなくスコットランドにもつ。日本の最初のウイスキー生産者を養成したのは、スコットランドのアカデミックな研究所だった」(マイケル・ジャクソン『世界のウイスキー』)。
スコットランドで、門外不出のスコッチ製法を学んだ日本人の名は、竹鶴政孝。1920年に留学を終えて帰国した彼は、自分の理想とするウイスキーづくりを目指し北海道・余市に大日本果汁(1934年、現ニッカウヰスキー)を設立しました。
日本のウイスキー製造技術はその後、日本人の繊細な味覚を基準に急速な発展を遂げました。日本のウイスキーは、原料、蒸溜方法の面から見て、スコッチと同じタイプ。しかし、製造技術の工夫、そして日本ならではの良質の水や気候風土の違いから、ジャパニーズウイスキーの品質が確立され、世界に認められています。
スコッチにもないタイプのウイスキー、それが大麦麦芽だけを原料にして、連続式蒸溜機で蒸溜したカフェモルトウイスキー。ニッカウヰスキーでは1990年頃から製造を始め、ブレンド用に使用しています。